2018.4.7|アシスタント日記(狩野)

今日はなにを書こうかな〜。書くことあるかな〜。なんて思って考え出すと、あら不思議。どんどん湧き出てきます。アシスタントとして撮影同行した現場で思ったことを「透明人間」というテーマで書こうかな。それとも、ギャラリー常駐で体験したことを「数字」というテーマで書こうかな。それとも……。

いろいろとネタは尽きませんが、今回は「数字」について書いていきたいと思います。

私は人から「字が上手だね」と褒められたことがありません。逆に、高校時代の物理の教師に「達筆だね !」(皮肉)、母親に「きれいに書いてね!」、名も忘れた人に「読めない!」……などと、字の汚さを暗に表す言葉を投げかけられてきました。そのたび、私は、「うるせー!」と反抗してきたのです。

特に数字は特徴的な書き方が多く、いつも「5」は一筆書きするのですが、先日ある人に「読めない! 9に見える。ちゃんと書け!」とお叱り(注意)を受け、それからは横棒を引いてから、縦を書くという2手順を踏んで書くようにしています。内心、無個性でつまらない字になったなぁなどと思いつつ。

そして今日はついに、他の数字にまで魔の手が伸びてきました。それは「3」です。「これ『3』に見える?(笑)」と言われ、確かに自分でも「3」には見えなかったので、かつ「3」が「3」であることを示し、それを渡す相手がいる場面だったので、そこは素直に書き直しました。私はいつもこんな「3」を書いているのか? それとも急いでいたからか? と、理由は定かではないのですが、「3」もまた無個性という病に冒されました。

ここで私は想像するのです。もしも私がアラーキーのように偉大なる写真家・めぐえもんだったら、「これはめぐえもんの個性だから、字が読めないほど汚くても、数字が読めないほど独特でもいいんだよ」と、「個性」を武器に周りから許されるのでしょうか? そもそも、それは本当に「個性」なのでしょうか?

逆の立場、つまり数字の立場から考えてみると、「私は5なの! 9じゃないのよ! ちゃんと書いて!」「僕は3だよ! 読める字で書いて!」「俺は7! 変な横棒書くんじゃねぇ!」ともっともな主張をされるのではないでしょうか。

数字は黙っていると思ったら大間違い。乱暴な扱いをし続ければ、いつかきっと爆発するはず。たとえ私がアラーキーのように偉大なる写真家だったとしても、批判にさらされ立場が危うくなるかもしれません。

となるとやはり、「私は偉大だ! これは個性だ!」と言って、数字をないがしろに書くのではなく、しっかりと数字相手にも敬意を払う態度を取るべきだと思います。数字さんたち、今までごめんなさい。ちゃんと君たちが君たちであるとわかるようにこれからは書くからね! 次を期待してて!


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東京・早稲田にあるユカイハンズ・ギャラリーと、出版レーベル・ユカイハンズパブリッシングの公式ツイッターです。主催:青山裕企
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